趣旨と目的
1 設置の趣旨
本センターの前身となる学際物質科学研究センター(TIMS)は白川英樹名誉教授のノーベル化学賞受賞を記念して平成15年に設立されました。その理念は、工学と理学の枠を超えた融合による革新的な機能性物質群の創成ですが、平成23年4月からはさらなる研究力強化を目的に、現代社会の喫緊の課題である環境エネルギー分野を研究領域のコアと定め、「物質創成」、「集積物性」、「ナノグリーン機能」の三つの研究コアを設置し、より視野の広い「グリーンイノベーション」「革新的な環境エネルギー材料の創製」をキャッチフレーズとして研究を推進することになりました。
さて平成26年9月に、TIMSの中で特に社会的要請を考慮し、系内の高い研究力をもつ研究グループを抽出して、数理物質融合科学センター(CiRfSE)の中に「物質変換材料研究部門」と「エネルギー変換・貯蔵物質研究部門」の二つの部門からなる「環境エネルギー材料研究拠点」を立ち上げました。独創的な研究には集中とダイバーシティーの両方が不可欠ですが、ダイバーシティーを重視したTIMSと、集中を重視したCiRfSEの拠点はその両輪をなすもので、実際、TIMSとCiRfSEの有機的連携により行われた共同研究によって優れた基礎研究の成果が数多く得られました。しかしそうした基礎研究の独創的シーズを熟成し、社会に還元できる材料やデバイスを創製するには、さらに次の二つが不可欠となります。一つは、上述した強い研究力の高い研究グループと異分野との共同研究推進、もう一つは、基礎と応用をつなぐ学理の確立を可能とする人材の確保と体制です。これに加えてさらに、つくば地区の強みを活かすことのできる他の研究機関との連携強化、つまりTIAを活かしたつくば連携による研究成果、装置、人材の交流をより活発にすることができれば、飛躍的な研究力強化が期待されます。
以上のことを鑑み、TIMS、CiRfSEおよび数理の研究力の高い環境エネルギー分野の教員が一つの組織の構成員となることで、異分野融合、学内連携、つくば連携、オールジャパン連携、さらにはグローバル連携の拠点として研究交流を活性化し、筑波大学の当該分野での存在感を高めるために、TIMSを改組し「エネルギー物質科学研究センター(TREMS)設立」の運びとなりました。
2 沿革
2000年 | 11月 | 「白川記念学際物質科学研究センター」(仮称)WGの発足 |
12月 | 白川英樹博士ノーベル化学賞受賞 | |
2001年 | 9月 | 「学際物質科学研究センター」WGの発足 |
2002年 | 11月 | 概算要求事項の申請 |
2003年 | 2月 | 学際物質科学研究センター設置準備委員会の発足 |
4月1日 | 学際物質科学研究センターのスタート(4研究コア) | |
5月19日 | センター看板上掲式(共同研究棟A) | |
6月17日 | スタートアップシンポジウム(つくば研究交流センター) | |
11月10,11日 | 開所式、記念講演会(筑波大学大学会館) | |
2004年 | 6月15日 | TIMS客員研究員として1名採用 |
10月1日 | 融合物質生命コアが加わり、5研究コアとなる。 | |
2006年 | 4月 | 三大学連携融合事業「アトミックテクノロジー」の開始 |
2007年 | 3月16,17日 | アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-2007)の開催 |
10月1,2日 | 第2回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-2)の開催 | |
11月 | 筑波大プレ戦略イニシアティブ学際物質科学研究拠点に採択 | |
2008年 | 3月13,14日 | 第1回学際物質科学国際シンポジウム(ISIMS-1)の開催 |
3月25日 | ネブラスカ大学バイオメディカルセンターとの部局間協定締結 | |
7月 | 学際物質科学研究拠点が戦略イニシアティブ(A)に昇格 | |
2009年 | 1月20日 | 台湾国立清華大学との合同ワークショップ開催 |
3月5,6日 | 第3回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-3)の開催 | |
3月9,10日 | 第2回学際物質科学国際シンポジウム(ISIMS-2)の開催 | |
10月10-12日 | 第2回筑波-新竹合同シンポジウム(TSAMS-2009)の開催 | |
11月18,19日 | 第4回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-4)の開催 | |
2010年 | 3月18日 | TIMS客員研究員を1名採用 |
4月2,3日 | 第3回筑波-新竹合同ワークショップ(TSAMS-2010)の開催 | |
2011年 | 3月9,10日 | 第3回学際物質科学国際シンポジウム(ISIMS-2011)の開催 |
4月1日 | TIMS改組 新体制スタート(3分野9研究コア) | |
2012年 | 12月1日 | TIMS客員研究員として新たに5名採用 |
12月17,18日 | 第4回筑波大-台湾国立清華大合同シンポジウムの開催 | |
2013年 | 8月1日 | TIMS客員教員として、新たに10名の教授・准教授の採用 |
8月26日-9月6日 | 筑波大学開学40+101周年記念事業として「つくば物質科学週間2013」を共催 | |
2014年 | 1月6,7日 | 2014 CENIDE-CNMM-TIMS Joint Symposium on Interdisciplinary Nano-Science and Technology の開催 |
8月-翌3月 | 共同研究棟A耐震工事により10部屋を同棟1階へ移転 | |
9月1日 | 新発足の数理物質融合科学センター(CiRfSE)内に環境エネルギー分野の2部門を設置し、TIMS教員が担当 | |
2015年 | 3月16,17日 | 2015 CENIDE-CNMM-TIMS Joint Symposium on Nanoscience and -technology の開催 |
9月30日 | 筑波大学がつくば国際会議場エポカルにおいて開催したTGSW2015に共催としてセッションを開催 | |
12月4日 | 若手准教授3名がTIMS協力教員としてメンバーに加入 | |
2016年 | 4月 | 共同研究棟A1階のTIMS実験室がVBL棟(現共同研究棟D)の1階・2階・3階に移転 |
9月 | 客員教員2名を新たに採用 | |
9月17-19日 | 筑波大学がつくば国際会議場エポカルにおいて開催したTGSW 2016に共催としてセッションを開催する | |
2017年 | 3月10,11日 | 2017 TIMS-CENIDE-NTHU Joint Symposium on Nanoscience and Nanotechnologyを筑波大学で開催 |
9月25-27日 | 筑波大学がつくば国際会議場エポカルにおいて開催したTGSW 2017に共催としてセッションを開催する | |
10月1日 | 学際物質科学研究センターと数理物質融合科学センター環境エネルギー材料拠点との融合により、エネルギー物質科学研究センター(TREMS)が設立 3部門27名、基礎融合リサーチグループ11名 | |
2018年 | 3月8,9日 | 2018 Joint Symposium on Energy Materials Science and Technology (Workshop of Pre-Strategic Initiatives)を筑波大学で開催 |
4月1日 | 3部門26名、基礎融合リサーチグループ21名 | |
6月1日 | 基礎融合リサーチグループ20名に変更 | |
9月20-22日 | 筑波大学がつくば国際会議場エポカルにおいて開催したTGSW 2018に共催としてセッションを開催する | |
2019年 | 1月1日 | エネルギー物質部門に1名を新たに採用 基礎融合リサーチグループに1名を新たに採用 |
5月1日 | 客員教員1名を新たに採用 | |
2020年 | 2月1日 | 客員教員1名を新たに採用 |
6月1日 | 客員教員1名を新たに採用 | |
6月30日 | 基礎融合リサーチグループに2名を新たに採用 | |
10月28日 | マテリアル分子設計部門に1名を新たに採用 | |
12月24日 | 基礎融合リサーチグループ2名を新たに採用 | |
2021年 | 8月1日 | 客員教員1名を新たに採用 |
2022年 | 9月1日 | 客員教員1名を新たに採用 |
2023年 | 1月1日 | 客員教員1名を新たに採用 |
2023年 | 4月1日 | エネルギー物質科学研究センター(TREMS)3部門25名から6部門28名へ内部組織再編 |
3 歴代センター長
TREMS センター長
2017年10月~2019年3月 鍋島達弥
2019年4月~2023年3月 神原貴樹
2023年4月~ 西堀英治
TIMS センター長
2003年4月~2006年1月 赤木和夫
2006年2月~2010年3月 大塚洋一
2010年4月~2013年3月 鍋島達弥
2013年4月~2015年3月 中村潤児
2015年4月~2017年9月 鍋島達弥
CiRfSE 環境エネルギー材料研究拠点長
2014年9月~2017年9月 鍋島達弥
4 ロゴマーク
<ロゴの解説>
中心の小円と外の楕円は物質の根源要素である原子を表しScienceのSを抽象化した形3つは、物質科学の各分野の協力による新物質の創成を意味します。
また、これら3つの形は通称、白川センターの川の字も表しています。さらに、右上がりの楕円でセンターの発展を祈念しています。